スポーツの祭典における採点の難しさ~ソチオリンピック開幕

蓮見 和章

こんにちは、広島事務所の蓮見です。
しばらくブログの更新を怠ってしまいました。書きたい出来事はいろいろとあったのですが、なかなか書けずにいる間に1月が終わってしまいました。再び復活する形になりましたが、今後は定期的に更新していきます。
 リーガルジャパンでは、1月より新たに女性2名の弁護士を迎えることになり(今後ブログにてご挨拶させていただきます。)、これまで以上に幅広い層の方にリーガルサービスを提供できるように所員一同心機一転がんばっていく所存です。本年もよろしくお願いいたします。
 さて、ソチオリンピックが始まりましたね。今回は、開幕前は現地が温暖で雪が積もらないことやテロの可能性もありやや盛り上がりに欠けるのかなあと思っていましたが、開幕するとやはりアスリートの一つ一つのドラマが感動を誘いますね。
 個人的には、やはり本日未明に行われたモーグルの上村愛子選手の4位入賞に一番しびれました。実は、上村選手は私と同年代でかつ誕生日も2日ほどしか違わないので、高校3年生で地元長野のオリンピックで7位入賞を果たしたときから私は一方的に彼女の動向に注目してきました。
 5位になったトリノで「一体どうすればオリンピックの表彰台に立てるのか。」、4位に終わったバンクーバーでは「なんで一段ずつなんだろう。」と漏らした彼女が、「達成感MAXです。」と評した今回の滑り、30半ばにして最高舞台で最高の滑りをした上村選手の能力のすごさに感服するとともに、同世代として自分も刺激を受けた気がしました。
 ただ、それだけに、あくまでテレビで観戦した一素人の意見ですが、今回の上村選手の滑りは、他のメダリストに本当に劣っていたのかという疑問と、悔しい気持ちも沸き起こってしまいました。特に銅メダルの選手は素人目にみて明らかなミスをしていたので、なんでその選手に負けてしまうのか納得いかない面も多々あります。いろいろ調べていると、見た目以外に接雪時間の長さ等も判断の材料になるとのことですが、そもそも選手ごとに基礎点がつけられていてそこからの減点制になっているとの報道もありました。一発勝負のはずのオリンピックでそのような採点方法がいいのかわかりませんが、そうであれば素人にもわかる形で採点基準を公表してほしいなと思います。
 前日に角野選手が入賞した新種目スノーボードスロープスタイルもそうですが、なんとなく採点基準があいまいすぎて、専門家の間でも大きく評価が分かれてしまっているような気がしました。スロープスタイルもモーグルも、それぞれの技に対して何点という評価はなく、全体的にざくっと採点するようになっています。(モーグルはまだエア、ターン、スピードの3分野に分けていますが、スロープスタイルはそのような分類すらありませんでした。)それぞれ確かに芸術性が争われる競技であることはわかるのですが、せめて体操競技やフィギアスケートのような技ごとの細かな採点基準がないと、オリンピックという場で素人も納得するような評価は難しいのではないかなあと感じました。と同時に、弁護士も法的な解釈について常に素人の目線でわかりやすく説明することを心がけていかなければならないなあと改めて感じました。

 まあ、採点基準があいまいでも、その競技や競技に打ち込む選手の価値が色あせるわけではありません。上村選手も角野選手も、日本選手団を勇気づけ、日本全体に感動を与えてくれました。本当にありがとうと言いたいと思います。
 ちなみに、今回のオリンピックは開会式よりも前に一部の競技がスタートしました。これは冬季オリンピックでは史上初のことだそうです。しっかり開会式してから競技するばいいのにと思われる方も多いかもしれませんが、実は夏季も冬季もオリンピックは開会式と閉会式の日も含め16日間の間で行わなければならないことがオリンピック憲章に定められているんです。新種目が増え、競技数が多くなったので開会式の前にも競技を行わないといけなくなってしまったということなんでしょう。夏季オリンピックもそうですが、競技種目や参加人数が多くなれば、オリンピック憲章自体の見直しも検討されるかもしれませんね。

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