新ドラマへの期待2

蓮見 和章

 こんにちは、広島事務所の蓮見です。

 さて、10月に入り、ドラマも新しいクールに入りました。前回のクールでも開始前に主なドラマに対する自分なりの見所を書かせて頂きましたが、今回も主なドラマへの期待を勝手に書かせて貰います。

 今クールのポイントは、①高視聴率ドラマの対決②多様なミステリードラマ③3人単位の恋愛ドラマです。

 まず①高視聴率が期待できるドラマの頂上対決、「相棒」(テレビ朝日系水曜21時)「南極大陸」(TBS.系日曜21時)が注目です。
 既にドラマ好きにはおなじみとなった「相棒」はついに10シーズン目になりました。毎回高視聴率をたたき出していますが、今回は出演するみっちー(及川光博)のプライベートの相棒(壇れい)も見つかったということで、これまで同様高視聴率になること間違いなしです。壇れい好きの相川弁護士も必見というところでしょう。毎回難事件を解決する主人公右京(水谷豊)の明晰な頭脳と意外と愛嬌のあるキャラクターは、同じく人気ドラマ・アニメだった「古畑任三郎」や「名探偵コナン」、「金田一少年の事件簿」等の主人公とかぶるところもあり、ミステリードラマの王道を地でいくいわば鉄板のドラマです。

 鉄板といえば、平成の視聴率男、木村拓哉を主演に起用した「南極大陸」はTBS開局記念として豪華キャスト(綾瀬はるか、緒方直人、柴田恭兵、香川照之、堺雅人、仲間由紀恵、芦田愛菜等)を集めて制作したドラマです。内容も、名作である南極観測隊と南極に残された「太郎・次郎」にまつわる物語を原作としており、日曜21時という放送時間を含め、全てが視聴率をとれる鉄板の陣容での放送になります。はまれば今クールだけではなく、歴史に名をのこす一作となる可能性がありますので、注目度はとても大きいといえるでしょう。法的には原作があるということで、原作の著作権に関する問題が生じる可能性がありますのでその辺りも注視していきたいと思います。

 
次に最近のドラマではとても多いミステリードラマですが、今クールは王道の「相棒」を意識してか、②少し変わった目線のものが多いように感じます。

 まず、既に昨日第一回の放送があった米倉涼子主演の「HUNTER~その女たち、賞金稼ぎ~」(フジ系火曜22時)は、一般人の女達が「捜査特別報奨金制度」を利用し、報奨金を獲得するために指名手配の犯人を追うストーリーになります。この「捜査特別報奨金制度」は警察庁が2007年4月1日から設けた懸賞広告制度のことで、警察庁が指定した事件について、容疑者の確保に直結する有力な情報を提供した者に民法529条及び532条の規定に従って報酬金が支払われる制度です。きちんと法的な裏付けのある制度なので、報酬を得る目的で犯人を探すことは何もやましいことではありません。ただ、一つ注意しなければならないのは、一般人(私人)は現行犯逮捕以外では犯人を逮捕することができません。捜査機関でない以上、指名手配犯の情報を得ても、犯人を追跡して直接捕まえることはできないのです。ドラマのあらすじからすると、自分達が捜査をして自ら犯人を追い詰めるような展開が予想されていますが、今後そのあたりをどのように法的な矛盾無く描くのかも注目です。その意味で、逮捕権限を持つ捜査機関側の警察官役である谷原章介の役割に注目してみると面白いかもしれません。

 他にも、北川景子主演の「謎解きはディナーのあとで」(フジ系火曜21時)や家族の問題を紐解いていく「家政婦のミタ」(日本テレビ系水曜22時)、深田恭子主演の「専業主婦探偵~私はシャドウ」(TBS系金曜22時)なども、ちょっと変わったミステリーとして面白そうです。

 また「家政婦のミタ」は明らかに市原悦子の「あれ」をパロディ化していると思いますが、同じく名作SFコミックをパロディ化した「11人もいる!」(テレビ朝日系23時15分)も宮藤官九郎脚本で、一週間の疲れを笑いで吹き飛ばしたいという人にはおすすめのドラマだと思います。

 ところで「家政婦のミタ」に関しては、家政婦は労働基準法の適用を受けるのかという法的な問題もあります(労働基準法適用を受けられると労災等がおりるのですが、適用がないと受けられないという不都合があり、今の家政婦さんには、労働基準法の適用がある家政婦さんと適用のない家政婦さんがいると言われています。松嶋菜々子扮するミタはそのどちらなのかという問題です。)ので第一回はその辺りも注目して視てみたいです。

 最後に、これもドラマの定番恋愛ものですが、今クールは③3人単位での恋愛模様がポイントです。

 3人単位の王道、三角関係ものでは、菅野美穂・榮倉奈々・ARATAによる「蜜の味」(フジ系木曜22時)が注目です。個人的にも好きな演技派女優の菅野美穂が、最近得意分野になりつつある悪女をどう演じるのか、必見だと思っています。

 また、AKB大島優子・香里奈・吉高由里子のルームシェア3人がそれぞれ恋愛できない女性を演じる「私が恋愛できない理由」(フジ系月曜21時)、真木よう子・木村多江・夏帆の3姉妹の恋愛を描いた「カレ、夫、男友達」(NHK火曜22時)、その直後に続く、りょう、和久井映見、鈴木砂羽の固い友情で結ばれた3人のアラフォー恋愛を描いた「ビターシュガー」(NHK火曜22時55分)等、今回は女性3人のそれぞれの恋愛を対比させるというドラマが多いです。どのドラマも恋愛ドラマ好きには一粒で3度楽しめるたまらないドラマかもしれませんね。ちなみに、相川弁護士は、大島優子が出ているということで、「私が恋愛できない理由」を視ることを宣言していました。今後このドラマに関しては相川弁護士が熱く語ってくれると思います。

 そのほかにも、1960年代のテレビアニメの実写版で、これも最近「爽快人間」のCMでパロディ化されている点、3人単位の点など他の今クールのドラマと多くの共通点のある「妖怪人間ベム」(日本テレビ系土曜21時)やキム・テヒ主演のラブコメディ「僕とスターの99日」(フジ系木曜22時)などがあります。

 ざっと新ドラマの紹介をさせていただきました。全部視るのは難しいですが、皆さんもそれぞれお気に入りのドラマをみつけて秋の夜長を楽しんでいただければと思います。

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