「それでもボクは認めてしまう」(遠隔操作ウィルス事件)

下宮 憲二

こんにちは、広島事務所の下宮憲二です。

 他人のパソコンを遠隔操作して学校への襲撃予告をするなどしたと思われる真犯人からの犯行予告が話題になっています。数日前にも同事件についてこのブログで取り上げられていましたね。
 会社のパソコンに不具合が生じたときなどに契約会社に頼んで遠隔操作で措置してもらった経験がありますが、遠隔操作により勝手にポインターなどが動いて行くのを不思議な気持ちで見ていたのを思い出しました。
 今回の事件は、知らないうちにウィルスに感染し、知らないうちに勝手な操作がなされたようです。これが、本当ならもしかするとこのブログも私の意思とは関係なく知らない誰かによって書かれ、知らない誰かに改ざんされ、意思に反してブログが勝手に削除されているのかも知れません。

 そんな恐ろしいことの起こりかねないブログですが、この事件によってもっと恐ろしいことが明るみになっているようです。
 それは、遠隔操作をされたとみられる被害者の方が、捜査機関の取り調べを受け、初めは自己の犯行ではないと否認していたのにも関わらず、最後には自白に至っているということです。
 もし、ウィルスによる遠隔操作によって他人が本人になりすまして犯行を行っていたとしたら、無実の人が捜査機関によって自白させられていたことになります。しかも、一人だけではありません。
 やっていないのなら否認したまま裁判で争えばいいと思うのですが、なぜやってもいないのに自白してしまうのでしょうか。供述調書がまるで被疑者の意思とは関係なく遠隔操作によって書かれているかのようです。
 この事件を契機として、無実の人が自白に至る過程への注目が集まることに期待です。
 K視庁は、否認のまま起訴された類似事件を洗い出すよう指示しているようですが、自白事件こそ洗い出す必要があるように思えます。

 「それでもボクはやってない」(周防正行監督作品)を遠隔操作によって「それでもボクは認めてしまう」と書き換えたくなるかもしれませんね。

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